こんにちは、自問自答ファッション通信あきやです。2018年に公開された映画「マックイーン モードの反逆児」を観たので、ファッションスタイリストとしてどんな人にマックイーンのお洋服をすすめていきたいか考えてみました。
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マックイーンのファッションに付随する言葉はいつも「反逆児」や「破壊」や「犯罪現場にあったような服」なので私たちが普段接している「服」の概念とは一線を画すかもしれません。
⚡️アレキサンダー・マックイーンのキーワード
〜「アレキサンダー・マックイーン」ファッションブランドのキーワード〜
引用:イアン・ボノート, 2018, 『マックイーン:モードの反逆児』,キノフィルムズ
不安・怒り・恐怖・モダンでクラシカル・サボタージュと伝統・美とバイオレンス・多様性・フェティシズム・情熱・愛・ロマンティック・クレイジー・心の闇・エモーショナル・熱狂・ユーモア
おやおや、穏やかじゃないワードが並んでおりますね☺️
〜マックイーンさんの言葉〜
「自分じゃなく世界に怒っている」
引用:イアン・ボノート, 2018, 『マックイーン:モードの反逆児』,キノフィルムズ
「結局みんな別々の存在なんだ」
「安全策をとったら前には進めない」
「作品を見れば僕が分かる」
「最悪の気分か浮かれた気分で会場を出てほしい」
「センセーショナルな方法で女性が強く見える方法を考えていた」
なんとも、己を強く貫いていらっしゃいますね✨
〜マックイーンさんの仕事仲間の言葉〜
引用:イアン・ボノート, 2018, 『マックイーン:モードの反逆児』,キノフィルムズ
「マックイーンは詩人と商人の合体」
「マックイーンほどショーに感情を込める人はいない」
「彼の服で女性らしい気持ちになるけれど、ナメんなよという気分にもなる」
「誰もがモデル体型じゃない“美”は見る人次第だ」
天才であり、詩人でもあり、商人でもあったマックイーンさん。(映画ではリーと呼ばれています。)「あんなところでは絶対働かない」と言っていたジバンシィのクリエイティブデザイナーになった展開は、衝撃でした⚡️(マックイーンの服を作る資金のためにジバンシィのギャラを使っていたと知って、かなり納得しました。)
私はよく「モード系」のお洋服を説明するときに「反骨精神や怒りや闘い」と表現しています。マックイーンさんが表現するのは、まさしくその言葉を中心とした世界です。
「ファッションは美しく、健康的で、健やかであってほしい」と願う方々には特におすすめしないブランドですが、ぜひ「こんな世界があるよ」ということも知っておいてほしいと思っています。なぜなら、きっと誰もが制御不可能な出来事と隣り合わせで生きているはずだからです。
👗マックイーンを着ることは「自分の鎧」になる
自分ではコントロールすることができない深い悲しみや、どうしようもできない怒り、大事な人との別れや、どうしようもないこと起こった時。「自分」ではなく「世界」に怒っている時が来たらぜひ「アレキサンダー・マックイーン」の洋服を手にとってほしいと思います。
「鎧をつけた女性を作ることは、女性と自分を守るための悪魔祓いなのかもしれない」とマックイーンさんが言っているように、自分を守るための服になってくれると思うのです。
一見破天荒に見えるけれど、繊細でユーモアあるお人柄のマックイーンさんを知ることができて、ブランドの解像度が高まる良い映画でした。ぜひみなさんも「ブレない自分が欲しい時」に観てみてくださいね☺️
🍰おまけ🍰
私的な話になりますが、私は33歳の時に自身の生涯のライフワークを「ファッション」に決めてしまいました。30代になったある日、左目の視力を無くしたことをきっかけとして「あなたが生涯突き詰めるべきテーマを今決めましょうね」と迫られたのです。
確かに私はあの時、銀座のシャネルとヴィトンとブルガリとカルティエがある十字路で、ファッションの悪魔に差し出された契約書にサインをしました。視覚を失おうとしている真っ最中に、視力を最も必要とする「ファッション」というものにしがみ付く、このいかにも人間らしい「不条理さ」。私は苦笑いで受け入れるしかありませんでした。
今、銀座6丁目のあの煌びやかな建物にはマックイーンの服と私の著書がY軸に並んでいます。末席ではありますがファッションと名の付く世界に生きていることができて、今、とても幸せです。
マックイーンさんの生涯、周りの仲間の方々を見ると「ファッションを命と引き換えにする人はこうも多いものか」と震えます。2009年のコレクションはそれはもう美しかった。私の目がまだ見えていることを神に感謝するくらい美しかった。「この世に存在しない場所を探している」「この世と天国がひとつになった」と言う言葉通りの眩さでした。マックイーンさんは悩みの多い人生でありながら「ショーがあるから感情を表現できる」と語っていました。一見観客をギョッとしてしまう彼の世界観は、いつも死や絶望と隣り合わせで、あまりにも強く、あまりにも痛々しく、涙が出るほど美しく、私たちに「現実から目を逸らすな、ちゃんと考えろ」と語りかけてきました。
ファッションは、やもすると、すぐに買って捨てることのできる生活必需品です。「それに意味を見出すことなんて」と思う方もいるかもしれません。しかし、命懸けでファッションを作り出している人は確実にこの世の中にいるのです。この映画をみたらファッションで自分を表現することの真剣さを少しでも感じてもらえるかもしれません。そしてこれから買う一枚の服は、あなたが「現実から目を逸らさない」と決めた焼き印になるかもしれません。
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