こんにちは
自問自答ファッション通信です。
今回は私が愛してやまないラグジュアリーブランドについて少しでも知って欲しいと思います。何度も言っていることですが、シャネルやルイヴィトン、フェンディ、セリーヌ、エルメスなどのラグジュアリーブランドは限られた人達のものではありません。誰もが見て触れて楽しめる良質なエンターテイメントです。

目次
人はなぜラグジュアリーブランドをちょっと嫌厭しちゃうのか
私も20代の頃はファッションが大好きだけれど踏み入れてはいけない領域、それがラグジュアリーブランドだと思っていました。どんなに知っても買えない時点で私の人生に関わりがないと思っていたのです。「興味ないので…」「高価で生活に関係ないので…」「私の人生には必要のないものなので…」と私以外にも思っている方は多いと思います。しかし知れば知るほどもったいなかったなと思っています。ブランドは必ずしも買うものではありません。まずは見て感じて楽しむものです。
美術館でピカソを見てポストカードを買うように
美術館が大好きな私たち。せっかく目の前にあるピカソの絵を「高価で買えないから見ない」と言う人はいるでしょうか?またはピカソを実際に買って帰れる人がどれだけいるでしょうか?少なくとも私はピカソの絵を買えませんが絵をしっかり見ます。見て感じて精神に焼き付けて、最後のショップでポストカードを買って帰ります。ラグジュアリーブランドの路面店でも同じこと。店内をじっくり見させていただいた後はショップ併設のカフェでお茶を飲んだり小さな買い物をしたり、年に一度は思い切って購入したり、あたかも美術館のように楽しみます。(買わない日は長居はしませんが。)

ラグジュアリーショップの買上率はそんなに高くない
「買上率」と言う言葉を知っていますか?お店に来店した人数のうち何人が購入してくれたかの割合です。ラグジュアリーショップに来店した人全員が物を買うわけではありません。「いいものがあるかな?」「どのお店で買おうかな?」と言うお客さまが大半です。あなたがショップに行って商品を手に取って「一度検討します。」とお店を出ても販売員にとっては1日に何十件もある「普通のこと」です。「買わないから」とショップに入っていけない訳ではないのです。
販売員さんも普通の人である
ツンとすまして見えるラグジュアリーブランドの販売員さんたちも「我々と同じ生活水準の普通の人」です。普段の私服は我々と同じ水準の服を着て、同じものを食べています。職業柄、セレブな方々とお話しすることも多いと思いますが、本気でセレブな人はおそらく店頭で働きません。隣の家のお姉さんと話している感覚で緊張しなくて大丈夫です。たまに「自分も選ばれし人間」だと思っちゃって冷たい態度を取られることもごく稀にありますが、心を広く持ち、気にしないようにしましょう。(実際のところみんな大抵素晴らしい販売員さん達です。こちらが丁寧に接すれば、嫌な思いをすることはそうそうありません。)
ラグジュアリーブランドは「見るもの」である。
ショップに足を運ぶ勇気がまだない人はインターネット上で存分に楽しみましょう。公式HP、instagram、twitter、LINE。デジタル媒体を持たないラグジュアリーブランドなどもはやありません。一昔前は「閉ざされて秘密主義」だったファッションの世界も、今やすべての人々に開かれています。ショーの内容も、職人の顔も、価格も全て公開しどのブランドも「もっと見て!もっと知って!」と叫んでいます。知ってあげることはラグジュアリーブランドにとっても「ありがたいこと」なのです。

シャネルのネイルエナメルは3,520円(税込)
シャネルのネイルエナメルは3,520円(税込)です。正直な話、ネイル界ではかなりの高価格だと思います。しかし私は1日平均20分くらいシャネルを見て感じて考えています。「趣味:シャネル」です。もちろんシャネルは高価でなかなか買えません。しかし動画を見て、SNSを見て、じっくり味わい尽くした挙句のネイルエナメル3,520円(税込)なのです。そして365日自らの手の先をキラキラで纏ってくれるのです。3,520円。そう考えると安くない?と思ってしまいます。私はネイルエナメルを買っているのではありません。シャネルの信念と自信とパワーを分けてもらっているのです。
何回も言いますが、インサイドシャネルというとてつもなく美しい動画があります。全女性に一度は見て欲しい、波乱万丈なシャネル 列伝がおしゃれに表現されていて、泣けます。(はちゃめちゃに重いのでしっかりWiFiが繋がるところで見て欲しい)
コスメラインがあるのは知名度を上げるため
シャネル、ディオール、イブサンローラン、最近ではエルメスも。コスメラインを持つラグジュアリーブランドは少なくないですよね。これにはもちろん「ブランドの世界観をトータルで感じて欲しい」と言う理念もありますが、一番の理由は「ブランドを知って欲しいから」に他なりません。コスメでしたら学生から買うことができます。ティーンがだいぶ大人になって「50万円くらいのバッグが欲しいな」と思った時に知らないブランドの商品を買いますか?高校生から憧れていたシャネルのCCマークを買うでしょう。「ブランド名を知っている」「ロゴマークを知っている」「憧れている」と言うのはブランドにとって大きな強みになります。憧れのブランドはぜひコスメラインから手に入れましょう。
無料イベントもたくさん
最近ではシャネルの「マドモアゼル プリヴェ」展、エルメスの「夢のかたち Hermès Bespoke Objects」、店舗での写真展などなど無料で体感できるイベントが数多く開催されています。(予約制の場合もあります)写真がOKな場合も多く、「知って!感じて!拡散して!」と意欲的です。銀座の「メゾンエルメス」では、8階のフォーラムで定期的にエルメス財団主催の入場無料の展覧会が行われています。私は毎回足を運び「こんなに良質なアートで美的感覚を育ててくれる憧れのエルメスにいつか恩返ししたいな」と言う気持ちを育てています。みなさま行ってみてくださいね。

知ると何も怖くない
そう「店舗に行くのは気が引ける…」と言う方へ「知らないものは怖い」つまり「知れば全く怖くない」のです。HPでデザイナーの意思を感じ、商品ラインナップを把握し、値段をチェックした我々にとってリアル店舗はまるで駅前にあるディズニーランド。ミッキーに手を振るようにバッグを手に取り、エレクトリカルパレードを見るように香水を試し、そのうち憧れのミラコスタに泊まるように雑貨を買えばいいのです。あなたの人生は何億倍にも楽しく、しかも美しくなります。(ちなみに余談ですが、私は高校生時代2年間東京ディズニーランドの年間パスポートを所有していました。息をするようにチキルームの歌を歌えます。)
なんせサスティナブル
「サスティナブル(持続可能)なファッションを!」と叫ばれて久しい現代社会。一番サスティナブルなのはラグジュアリーブランドだと思います。腕の良い職人を育て生活を守り、もちろん自然に考慮し(でないと売れない)、大量生産を真逆な世界。さらには高品質なため代々受け継ぐことができ、セカンドユーザーにお譲りする際も欲しい人が必ずいます。私は先日、母の30年ものの「朽ち果てたルイヴィトンの財布」を一か八かで大黒屋に持っていったのですが、原型を留めていない形でも無事買い取ってくれました。バイヤーさん曰く「焼け焦げてなければ大体買い取ります。」とのこと。「母さん、これが本物のサスティナブルや…」と思いました。(朽ち果て具合をみんなに見せたかった…写真撮っておけばよかった…)
余談ですが、「ラグジュアリーブランドをセカンドユーザーに譲ることはブランド側の売上が悪くなるのでは…」と思われがちですが、私の予想ではリユースを買う層と定価で買う層が被るとは考え辛いのでは…?と思います。定価でばっちり買う人はリユースを買わない。リユースを買う人は、のちのち定価で買うように成長する可能性を秘めています。私も学生時代に古着で買ったブランドを、大人になって定価で買うようになりました。古着でもなんでも着ないと良さは分かりません。リユースよりも模倣品の方が断然タチが悪いと思います。

心の底にある輪郭を縁取るもの
ラグジュアリーブランドは他者に向けた見栄のためのものではありません。着る人の心の底にあるクリエーションの輪郭を縁取り解像度を上げてくれる魔法です。そして、ブランドデザイナーの熱く燃えたぎる意思が大事な心を包むのです。例えば先日、渋谷パルコのGUCCIで60万円のコートを試着させていただいた際に鏡に移った私はまるで「洗練された世界的クリエイター」のようでした。正直びっくりしました。ポテンシャルが私の中にも眠っているものだと感心し、ちょっと己を見直しました。良い服はその人の数ミリの可能性を見つけ出し育ててくれるものだと思っています。

ブランド名で判断するなと言う人はおしゃれではない
よく、ブランド名に惑わされるな!というマインドの方がいますが、私は令和2年の現在「そんなことを言う人におしゃれさんはいない」とすら思っています。ブランド名は信頼です。品質やデザインが悪い商品に高級ブランドのラベルをつけても今の時代まったく売れません。
ブランド名で判断しないピーポーの多くは「品質だけならノーブランドも負けてない」と思いがちですが、現役スタイリストからビシッと言わせていただきますと「デザインのことを考えていないのでは?」と思います。
品質とデザインの両立はとても難しいのです。もし低価格で品質とデザインがよいものがあったらお願いだから命を削ってデザインをしているデザイナーにきちんとデザイン料を払ってあげて欲しいです。
原材料費+製作費+デザイン料+ブランディング費用+販売促進費+利益(次の商品を作るため)をしっかりと足し算すればラグジュアリーブランドって安いなと思ってしまいます。
大切なのは、ブランド名に振り回されない云々よりも、自分に何が必要かを問う事です。
まとめ
今回も熱く語りましたが、このような時代だからこそ、とにかくファッションをまずはエンターテイメントとして面白がって欲しい!と強く願っています。ラグジュアリーブランドから日本の老舗、個人のクリエイターに至るまで美しいものはたくさんあります。
映画や舞台のエンターテイメントを享受することもすてきですが、ファッションの世界はなんと日常で大切な自分自身が身につけられる現実感溢れるエンタメです。ぜひ、リアルに味わってみてくださいね。
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