こんにちは
自問自答ファッション通信です。
私が毎週チェックしている「ヒルナンデス」の火曜日のコーナー「格安コーデバトル」について、気がついたことをお話ししたいと思います。
私は小学生の頃「辛口ピーコのファッションチェック」を見るのが大好きでした。タイトルに「辛口」と謳っている通り、ファッションのことから、パーソナルな体型のこと、それ精神面じゃない?ということまでガンガン切り込んでいく姿勢。自ら「オカマだから何言っても許して」というジェンダーを逆手に取ったパワーワード、最高でした。何よりも知識溢れる「ファッションの歴史や今のトレンド」が散りばめられたMCを尊敬していました。
植松 晃士さんのMCは、とっても上品ながらも「はっきり」言ってくれるところが気持ちよくて皆さんも大好きだと思います。ご本人のファッションも、華やかながらも「やりすぎ」でない感じがとても素敵です。(植松さんのトレードマーク、ダイヤのピアスが可愛い)キャラも言葉遣いが美しく、丁寧で「辛口コメントされたい!」って思いますよね。女性のMCだったら言えないようなこともさらっと言ってくれて溜飲が下がる思いです。
コーナーの中では2種類の内容があります。
格安コーデバトル
1つ目は、芸能人がペアを組んで、助っ人モデルと呼ばれる「ファッションに詳しい方」がもう一人の「ファッションにあまり詳しくない方」にコーディネートをして大変身していく「コーデバトル」(その回によってテーマ、制限時間、上限金額が設定され、敗者は勝者にコーデを自腹でプレゼントするというゲーム)
このゲームのポイントは勝敗云々よりも過程にあります。
ポイントは想定視聴者の30代~60代の主婦層に向けて「上品で」「シチュエーションにあっていて」「トレンド感があって」「リーズナブル」なファッションを提案していること。
出来上がったコーディネートを一応「採点」しておりますが、その人に合っているかはあまり触れずに、勝者も敗者も解説をして褒めてくれるなんともありがたい企画です。
ファッションチェック
2つ目は、一般の方のファッションを植松さんがチェックしてモテ、ちょいモテ、ちょいブス、おブスの4段階に評価していく「ファッションチェック」こちらは20代~60代の女性に声を掛けて採点した後、数点アイテムを変えることで「モテファッション」にチェンジさせてあげる心優しい企画。
辛口ピーコさんのファッションチェックは、「やや批評的」であったのに対して植松さんはその場でアドバイスして具体的なアイテムを「改善案」として教えてくれるのが優しさだなと感じています。(ピーコさんもアドバイスをしてくれていましたが、スタジオからVTRを見ている状況だったので具体的なアフターが見られなかったような気がします。それも好きでしたが。)
チェック(現状確認)→評価(キャッチーに教える)→改善(アドバイスして変えてあげる)のサイクルが整っているのが親切です。
どちらもとっても面白い企画なのですが、視聴者側に趣旨が分かっていないと「あれ?今回敗者の方がおしゃれじゃなかった?」と思うこともしばしば。
私も毎週見ていてある法則に気がついたので、皆様にお伝えしたいと思います。
コーデバトルの判定基準
私が普段ファッションをご提案する際に考慮している要素は以下の10項目↓
自問自答ファッションではコンセプトを中心に考えていますが、他の要素も盛り込みつつご提案したいと考えています。

一方、ヒルナンデスのコーデバトルで重視していると思われる4項目がこちら↓

植松さんはおそらくこちらの番組の中では、「異性モテ」「TPO」「トレンド」「プチプラ重視」の4軸でファッションを選んでいらっしゃるのではないかと考えられます。
テレビという「多様な視聴者」に対応するために、あえて「パーソナルな要素」である、特定の個人に「似合う」とか、「内面」とか、「スタイリストのセンス」を言わないようにしているのを感じます。見ている人が誰でも参考にできるような配慮なのです。
異性モテ
植松さんの大きなファッション基準の1つは「おモテ」と「おブス」。そう「モテ」が最高の基準なのです。このキャッチーなオリジナル基準を作っただけでも素晴らしいと思っています。
コメントの中でも「女性らしい、上品、洗練、大人っぽい、エレガント、フェミニン、かわいらしい、華やかさ、スタイルアップ、着痩せ、肌見せ、きれいに見える」と、モテ要素満載のキーワードが並びます。
そしてマイナスとしているワードとして「下品、安くみえる、ケチ、女子ウケ、カジュアルすぎる、若づくり、子供っぽい、男っぽい、古臭い、足りない、自意識過剰」
ご自身のコーディネートも、どちらかというとカジュアルよりはエレガンス。「楽なカジュアルファッション」よりは「きちんとしたファッション」を推奨されています。
「異性受けする華やかスタイル」が得意なファッションプロデューサーさんです。
TPO
コーデバトルの勝敗として、毎回おっしゃっているのは「今回のテーマに合っているかどうか」です。
どちらのコーディネートがおしゃれだとか、色合いがあっているとかとか、その人にあっているかはとりあえず置いておいて「シチュエーション」にあっている方を重視しています。
テーマが「○○で都会的なデート」の場合はエレガントなテイストが勝ちますし、「○○でアウトドア女子会」の場合はカジュアルなテイストをうまく表現した方が勝者です。
どちらも「TPO」=「時と所と場合」に合っている場合は、「異性モテ」「トレンド」の韓版基準でジャッジしています。
バトルの対戦相手のルックスや、モデルの個人的なセンスに勝敗が左右されないように配慮しているのです。
トレンド
コーデバトルとファッションチェックの際に、「情報」として教えてくれるのが「トレンド」です。今年のトレンドや現役モデルだからこそ知っている「業界の人はこう着ている」という情報は、雑誌で見るよりも臨場感があります。
取り入れやすいアイテム単品の「色やデザイン」のトレンドから、コーディネート全体の「シルエット」まで。
実際に芸人さんやコメンテーターさんなどの「スタイルが良いとは言えない」一般の視聴者に近い体型の方にも着せてくれることで、トレンド服を手に取りやすく紹介してくれます。
プチプラ重視
コーデバトルもファッションチェックも比較的リーズナブルな「ファッションビル」および「アウトレットモール」が舞台です。
設定金額もトータルで「10,000円~18,000円」程度。アイテム単価も「3,000円~6,000円」と誰にでも手に届きやすい設定になっています。トレンドのものだからこそリーズナブルに。
様々な生活環境にある視聴者をおいていかない優しさがありますね。
まとめ
長年、なんとなく「コーデバトル」を見てきたという方も、採点の基準がわかったでしょうか?「今回は敗者の方が似合ってたのに!」「ビフォーの方がおしゃれだったのに!」と思わずに冷静に見られると思います。
何より植松さんのコーデやコメントには辛さの中にも「確かな知識」と「冷静な判断」「視聴者への優しさ」が散りばめられていてとっても素敵なのです。ファッションコメンテーターにありがちな「批評家」にならずに、自ら果敢にコーディネートをしていく様、そして説得力のある姿。美しいです。
おそらくご自身はプチプラのファッションはあまり着ていらっしゃらないようにお見受けできますが、自分のセンスよりも「視聴者や一般の方に寄り添った」ファッション提案ができる方は本当に貴重なのです。色々な番組で活躍さえている理由がわかります。
当たり前のことですが、テレビも雑誌も「スポンサー」ありきの商売で、ファッション従事者が自由にファッションを語れるメディアは、とても少ないです。(個人のブログか、個人のパーソナルスタイリストしか語る場がないと思います。)
テレビや雑誌では「誰にでも当てはまる多様なファッション感」を学び、パーソナルスタイリストからは「私にしか当てはまらないパーソナルなファッション感」を感じてくださいね。
最後に、こちらのブログは個人の感想です。実際に関係者の方にお伺いしているわけではありません。あくまで一個人の感想として読んでいただけると幸いです。
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