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突き抜けている人はなぜコムデギャルソンを着るのか【私服の制服化】

jimon-jitou

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2019年2月20日 2022年3月28日

こんにちは、自問自答ファッション通信です。


今回は「ファッションを制服化すること」
の派生のお話です。

私は仕事で女優、ダンサー、イラストレーターなどとお会いする機会も多いのですが、業界のトップの方は、なぜか「コム・デ・ギャルソン」をはじめとするクリエイターズブランドを着ていらっしゃる確率が非常に高いです。

「コム・デ・ギャルソン」はファッションオタクの方なら誰もが一度は通ったことがある日本三大メゾンブランドですが、一時期、PLAYシリーズが爆発的に流行ったことで少しブランドのブームが下火になってしまった様なイメージが持たれ、ファッションに興味が薄い人は「なぜ今ギャルソン?」と思う方もいらっしゃるようです。

ギャルソンを着続ける人にとっては、なぜ今というよりは、過去も未来もいつもギャルソンなのです。今回は私なりに「なぜなのか」を考察していきたいと思います。

目次

  • 制服化して決断の回数を減らすため
  • デザインが考え抜かれていてかっこいいから
  • 世界に通用するから
  • 名刺として見せてあげている
  • アーティストはギャルソンを着ない(着る方もいます!)
  • ファッション関係者はギャルソンを着ない(着る方もいます!)

制服化して決断の回数を減らすため

「突き抜けている人」というのは自分の分野を深く掘り下げる作業に時間を類やしたいと考えているため、毎日の服を考える時間を「ロスタイム」とし、なんとか削りたいと考えています。

スティーブ・ジョブズが行なっていた例の「制服化」ですね。制服化するに当たって一度決めた服(スタイル)を何十年も着ていく訳ですから「自分にとっての究極のベーシック」を追求しなければなりません。私も服を意識的に制服化しています。

コム・デ・ギャルソンは日本の中でも「オリジナリティ」が高く、流行に左右されない、むしろ流行を作っていくブランドであるが為に、制服化として取り入れている方が多いのです。もちろんアパレルブランドなので流行がないわけではないのですが30年前のコレクションを見ても古いと感じさせないのです。つまりは2019年のコレクションを30年後の2049年に着ていてもカッコいいであろうという希望が一番の魅力であると考えています。

デザインが考え抜かれていてかっこいいから

これは「いやいや、かっこいいは主観によるだろう」と思われても仕方ないと思いますが、ファッション好きである私から見たらもちろん「かっこいい」です。ハイブランドはなぜ高い(高価でも売れる)のかと言うのは「デザインにお金をかけているから」=「長い年月をかけて天才たちが人生をかけて考え抜いているから」なのです。

ギャルソンの創立者である川久保玲然り、名前を継いだ渡辺淳弥然り、栗原たお然り、パタンナー、マーチャンタイザー、プロモーション携わる人々みんなみんな才能の塊です。もともとデザインで才能がある人が集まって、さらにお金をかけて育て上げているんですから、いいものが出来上がります。これからもずっとブランドを存続させていくために、デザインの基準を高くしているのです。

逆に「かっこよくないブランド」が何でかっこよくないのかと言うと「プロダクトアウトでできたもんそのまま出しちゃった」系と、「デザインは流行からパクってなんも考えてない」系の二つがあげられると思います。

お金をかけてちゃんとデザイナーを育てると、かっこいいものができます。「突き抜けている人」と言うのは考えて考えて考えまくって突き抜けた方々なので、もちろん同質を求めます。同じベクトルのものを今の日本で探したら行き着くのはここなのでしょう。

世界に通用するから

「突き抜けている人」と言うのはもちろん国内外問わず発信の場があります。世界に行くと、世界基準で「突き抜けた人」との戦いなります。そうすると自分の育った国である日本人デザイナーが生み出したものを着る方がルーツをアピールしやすいですよね。

自分が突き抜けた背景には必ず育ちがあり文化があり、つまりは己のルーツがあります。ルーツとは生まれ育った場所が深く関係しています。日本に居れば当然のことでも、世界で戦う際に自分のルーツを無視するのはあまりにももったいないからなのです。(ミスユニバース日本代表が着物をイメージした服を着るのと同じことです。)

日本国内で切磋琢磨している人にはあまり関係ないかもしれませんが、世界で通用するおしゃれを追求するとここに辿り着くのでしょう。(むしろギャルソンを着ているから突き抜けられたのでしょう)

名刺として見せてあげている

「突き抜けている人」が普通の服装をしていると見た目と中身のギャップによりマイナスなイメージを持たれることがあります。「気さくな感じだったのにサインをくれなかった」とか「テレビの中では笑顔だったのに写真撮影を断られた」などです。プライベートでいるときに、サインを書いたり写真を撮ったりするのができない状況でいい人オーラ、凡人オーラを出し過ぎるのは危険だとわかっているので「ちょっと話しかけにくい唯一無二のオーラ」を出さなければいけない場合があります。

そんな時、活躍するのがギャルソンの服なのです。

「おお、ちょっと一般人とは違うな!」というのを名刺がわりに見せてあげているのです。また「イラストレーターです」と言ったときに「やっぱり~!そんな雰囲気出てますね~」と思ってもらえるような「サービス」としての服装でもあります。クリエイティブなものを作っているのに平凡な服を着ていると、ちょっとがっかりされてしまうのです。ルックスは名刺の会社名や肩書きよりも雄弁です。

アーティストはギャルソンを着ない(着る方もいます!)

そしてですね、冒頭で女優、ダンサー、イラストレーターと挙げたのには、実は引っ掛けがありまして、美術家、デザイナー、クリエイターなどは入っていないのですよ。

分かりにくいかもしれませんが「イラストレーター」と「画家」との違いだと思ってください。イラストレーターはギャルソンを着るんです。でも、画家はギャルソンを着ないことが多いです。(もちろん着られる方もいます!)

・イラストレーターは、クライアントの指示に従って制作する人
・画家は自分の描きたいテーマで作品を制作する人

です。(もちろん、どちらかが優れているわけではなくどちらも素晴らしい職業です。)

つまり、「クライアントありきの商売の人はギャルソンを着がち」なのです。言い換えると「自己プロデュース能力に長けている人がギャルソンを着がち」に変換させていただけたらと思います。

相手が何を望んでいるのか分かる人達って事です。これはとっても重要なことで、空気が読める、時代が読める、自分に求められていることが読めると言うことです。(超大事!)こういう人々は食べていけるのだと思います。

もちろん、実力がすばらしく友達のお古の服を着て、流行もモードも関係なく都内有名美術館を単独で満員御礼にしちゃう画家に憧れはありますけども、今日本では数える程しかいないのではないでしょうか。

私に中では女優、ダンサー、イラストレーターと言うのは、研究家であると思っています。ありとあらゆる人生の積み重ねと、類稀なる客観性と、自分の分野を幅広く深く掘り下げてたくさんの良質なアートや文化を端から次々に食べて、噛み締め、消化し、排泄するように生み出すタイプの方々です。

幅広い言い方をすれば「プロデューサー」ですね。自分をプロデュースする一面を持つ方々はギャルソンを好みますし、エンターテイメントに関わるプロデューサーの方々もギャルソンを着ています。

ファッション関係者はギャルソンを着ない(着る方もいます!)

私は言わずもがなファッションが好きな方ですが、ギャルソンはあまり着ません。(たまに着ます)それは「完璧だから」です。音楽ディレクターでビートルズやクイーンしか聴かないという人がいたら「それじゃあ仕事にならないんじゃ…?」と心配になるのと同じことです。

美術館のキュレーターがモネとピカソしか見ないって言ったらもちろん仕事になりません。「あなたの仕事は新しい才能を発掘して(ビジネスとして)伸ばしていくことなんじゃないの?」という話です。

そうです、ファッション好き(バイヤーやスタイリスト)は常に新しいブランドを発掘して「このデザイナーはどんな家庭環境でどんな文化に触れてきたからこのデザインなんだ!」とソースを探りつつも、その稀有な才能を直接課金(買うこと)と間接課金(取り扱うこと、プロモーションしていくこと)で伸ばしていくことなのです。

セレクトショップのバイヤーに会うたびにお互いがチェックするのは「よしよし、まだベーシックに逃げていないな」と言うことです。

面白い企画を次々とするバイヤーの服装というのはやっぱりどこか服装やルックスが変わっています。自分のベーシックに向かうのは、もちろん格好いいのですが、一方で「逃げ」な気がしています。もう少し、この大きな個性のパーティステージで僕と踊ってゆこうよ。と思ってしまいます。

服装は、言うなれば彼および彼女の「最小単位のセレクトショップ」です。

「スカートはこのブランドが最高、トップスはこのブランドがいい、バッグは、靴は、アクセは、髪色は、香りは、季節は、気分は、シチュエーションは、エモーションは」と一点一点の丁寧なセレクトにより自分だけのキュレーションスペースを誕生させるのです。

そこにインキュベートがなければ、ちょっとつまらないんですよね。お金があって、余裕があって、自分の仕事を突き詰めた人にだけできるおしゃれがあります。「高価なものも安価なものもひっくるめてのクリエーションを基準としたスタイリング」です。この作業は永遠のテーマであり、最高に楽しいエンターテイメントです。ここまでくると仕事ではなくライフワークですよね。

そんな訳で「突き抜けている人がギャルソンを着る理由」なんとなく伝わりましたでしょうか?突き抜けている人は後押しをしてくれるような本物のオリジナリティが欲しいのです。みなさまもぜひ自分の仕事を突き詰めて自分だけのお気に入りブランドを見つけてみてくださいね。

〜2021年追記〜

読者さまから「アーティストやファッション関係者もギャルソン着ていますよ〜」とご意見をいただきその通りだなと思いました。今回の記事で言いたかったのは「自己表現を仕事にしている人たちがなぜギャルソンを着ているのか」であってアーティストやファッション関係者が着ないよというお話ではないので、また折を見て書き直していきたいと思います!

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プロフィール

あきや あさみ
東京生まれ、東京育ち。

日本女子大学卒、都内百貨店にてパーソナルスタイリスト、セレクトショップバイヤーを経て独立。現在フリーランススタイリストとして活動中。

【取得資格一覧】
接客販売技能検定(レディスファッション販売)
フォーマルスペシャリスト
ギフトアドバイザー
パターンメイキング技術検定
カラーコーディネーター検定

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